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☆『小倉百人一首』・その102

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☆『小倉百人一首』・その102

 

 95番目です。前大僧正慈円(さきのだいそうじょうじえん)さんの作です。

 

 この方、比叡山天台宗のトップである天台座主になられた仏教界では有名な人物で

 

す。ですので、この歌も偉大な宗教家らしく、わが身を粉にして万民衆生のために尽

 

くしなん、という気概で詠まれたものですね。

 

 「おほけなく」は、「身の程を知らないながら」と、謙遜の意味を持ちます。ま

 

た、「わが立つ杣」とは天台宗の開祖である伝教大師・最澄さんが比叡山に寺院を建

 

立する際、「わが立つ杣(そま)に、冥加あらせたまへ」と仏に願った言葉であった

 

と私の広辞苑にも載っていますから随分と有名なセリフだったのですね。ですので、

 

これは比叡山を示唆しています。ちなみに本来の「杣」はきこり山を意味しますし、

 

「杣道」はきこりが通るような険しい道を言いますね。

 

 おほけなく

 

 憂き世の民に

 

 おほふかな

 

 わが立つ杣(そま)に

 

 墨染の袖

 

 解説です。

 

 「身の程知らずの若僧ではあるがだ、この比叡山に満ちている御仏のご意思が染み

 

付いた我が墨染めの衣をだ、憂き世の無情に苦しむ人々すべてに慈愛を込めて覆いか

 

けるのだ、私は」、そのためにはどんな艱難辛苦も何するものぞ。いざいざ行かん、

 

衆生救済の道。

 

 順番とイメージです。

 

 ”95=救護、救援〔慈円を念頭に〕 おほけなく…”とて、比叡の峰の杣道に、

 

足を踏ん張り、辺りを見回し、睥睨(へいげい)と、気分も雄々しく、彼方見据える

 

気高き坊主、あなたは慈円、万民すべてを慈しむ、尊崇すべきお方。

 

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