円周率世界記録を達成した原口證が、自らの人生経験から得た教訓やコツについて、書き綴るページです。

☆『小倉百人一首』・その67

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

☆『小倉百人一首』・その67

 

 60番です。作者の小式部内侍(こしきぶないし)さんは和泉式部の娘さんでし

 

た。

 

 「いく野」は「行く」と「生野」をかけていますし、「ふみ」は「踏み」と「文」

 

を掛けています。そうして皆さんご存知の「天の橋立」は母和泉式部の居る「丹後」

 

にあって、しかも「大江山」はそこへの道筋です。

 

 で、この歌は、「小式部さんよ、あなたはお母さんほど歌は上手ではないでしょう

 

から、歌会の際には丹後のお母さんに代作してもらってるという噂がありますよ。今

 

回の歌会のための代作はもう来ましたか」とからかう男にこの歌でもって即答したそ

 

うです。もちろんこれは機知に富んだ傑作ですから、彼女も母に劣らぬ歌詠みだった

 

のですね。

 

 でも、からかった男も本心は彼女の心を引きたいがために言った言葉なのですが、

 

才気立つ女性にはしばしば無視されがちな男心なのでした。

 

 大江山

 

 いく野の道の

 

 遠ければ

 

 まだふみも見ず

 

 天の橋立

 

 解説です。

 

 「山越え野越えの大江山と生野です。とても遠いのですから行くことならず、なの

 

ですよ。ですから天橋立もむろん踏んではいませんし、お母様からの文も見てはいま

 

せんのですわ」と、からかう相手をぎゃふんと言わそうとしているのですね。溜飲が

 

下がったでしょうね、男の本心を知らない彼女は。

 

 順番とイメージです。

 

 ”60=群れ、も無いし〔内侍をもじって〕の 大江山…”一人踏み行く気丈な娘

 

は藪の蛇さへ遠慮する、なんてね内侍のあなた様。

 

関連記事

アーカイブ