25 May 2010
☆『小倉百人一首』・その22
15番目です。
光孝天皇の作ですが、まだ親王のころの若い時分に詠んだものだそうですから、随
分と素直で簡明な歌調もうなずけられますよね。小さい自分から聡明で、気性も穏や
かな方だったと伝えられていますので、技巧のなさも好感を抱かせられます。
君がため
春の野に出でて
若菜つむ
わが衣手に
雪は降りつつ
解説は無用でしょうが、一応しておきます。
「春とはいっても未だ雪の降る今日ですが、でもあなたに捧げたい一心で採って来
ましたよ、ホラ受け取ってくださいな私の無垢な思いとともにサ」てなところでしょ
うか。
映像も素直に、共に十代前半の恋人というには若すぎる感じの純真な少年少女を思
い描きましょう。寄り添う二人の傍らには雪を溶かして流れるせせらぎ莢かな小川が
あるのでした。
光孝帝は源氏物語の主人公である光源氏に擬せられるお人ですから、そんな感じか
らイメージを作れば宜しいでしょう。光源氏の12か13歳ごろのことと設定してみ
ればよいです。
さて、記憶のカレンダーでは三週目の折り返しです。ですが、これ以上になると
段々位置が把握しにくくなってきますので、ここで新たな方法を提示しましょう。も
ちろんいずれを使っても宜しいのですし、それらを連動させれば尚のこと憶えこむ力
が増すでしょう。
では、その新方法です。
15番の15と作者名と歌の端緒をつなぎ合わせて覚えるのです。
今回の場合は、”15=イチゴ孝行、君がため…”と頭に入れるのです。この絵柄
をカレンダーにぶら下げればよいのですね。どうぞやってみてくださいな、あなたの
記憶力に自信がつくはずですので。