30 Apr 2010
☆『小倉百人一首』・その3
さて次に話題にしたいのは、「秋の田の…」の「5,7,5,7,7」がストレー
トに頭にはいったかどうかです。
思い出せない箇所があったなら、無理やり思い出そうと真剣になることだけはお勧
めできません。一般的なやり方は、「ウーン、あそこはなんだったかなー」として根
をつめようとして一心になりますね、でもこれはいただません。これは禁物です。こ
れでは血流を濁らせてしまって、ますます思い出しにくくしてしまいます。
私の場合は、その一点に意識を凝らし集中することは同じですがしかし、あくまで
も心の中はサラサラとさせておきます。思い出せない箇所に「気分が良ければ出てき
てくださいな」とばかりに静かに穏やかに話しかけるような感じで尋ね続けるので
す。
そんな風にしていても未だ思い出せないのであれば、その前後のフレーズに問い掛
けてみるのです、「君たちの間の言葉はなんだったかしらね」とですね、何処までも
やさしく話しかけるのみです。この段階まで進むなら殆どが思い出せます。
でも、それでも出てこなければ別のことに思いを馳せてはそこに戻り、また他の事
柄に気持ちを傾けては戻り、を繰り返していると、いずれは必ず思い出すのでした。
押しては引き、引いては押しの繰り返しでよいのですよ。
つまり、直ぐに出ていかなかったので叱られるのではないかと思い違いしてしまっ
て篭城し堅く引き篭もっているのなら、囲いを解けばよいのです。「どうぞ安心して
出て来てくださいな、叱りはしませんから。でもね、あなたが私の問いかけに答えな
いのならば、私は他のことに関心を向けますからね」という感じで、思いを引いて他
所に向けるのですよ。
そこまですれば、必ず思い出します。記憶というものは脳の中から出て行ってしま
っているのではないのですからね、残っているのですから薫風が吹くような方策なら
ば、必ず思い出せるものなのです。優しさと真面目さが伴えば、物事が何であっても
成就するのです。真剣ながらも穏やかに対処するなら、相手もこちらの望むように相
対してくれるものなのですからね。
どんな物事、事柄であっても、上記しましたことは正論です、通用しますのです
ね。従って記憶を呼び覚ますということにおいても勿論のこと「可」であり、「上
策」であり、「ベター」でもあり、更には「ベスト」に近いものでもあるのです。