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☆ 9)「コンテナ列車」の法

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☆ 9)「コンテナ列車」の法

 

 4)項で「一字取り」の法を披露した。これは字面通りの文字取りであるから文章や言葉遊びに親しむ傾向のある者にはやり易い方法である。だが、そうではない映像や絵画など視覚的分野が得意な人々にはやや苦手とされよう。そのような向きに考えたのが当法ある。色々なものが入っているコンテナを載せた貨物列車の連結から想を得たものだ。
 トランプの覚え込みを例に採り入れる。よく切られてランダムに並んだ52枚の札を順々に記憶することに最適であろう故である。
 先ずは下準備としてトランプの四種を以下のように分野化し、それぞれの札に特定の人や物を絵柄にして当てることとする。

 

・クラブは男性にする
 1~9に小学1年生~中3を当て、10=高校生、J=若者や花婿、Q=中年や父、K=老人や爺
・ハートは女性だ
 1~10は同上、J=若者や花嫁、Q=中年や母、K=老人や婆
 この二種に於いて、1年生には胸に名札を、2には両手に手袋、3は算数の教科書、4は習字の筆、5は音楽の五線譜ノート、6は登下校時に持つ道路横断旗、7の中1には手提げカバン、中2に二輪車、中3に地球儀、高校生はバイク、Jはジーパン、Qは眼鏡、Kには杖などと、各々付随させて特徴付けると良い。
・スペードは動植物の分野とする
 1=苺やイルカ、2=人参やニシン、3=珊瑚やミカン、4=シジミや鹿、5=ゴカイやごぼう、6=武者やムカゴ、7=ナメタや梨、8=(八本足の)蛸やハチ、9=鯨や九官鳥、10=(昆虫たちが群れ寄る)立ち木や花壇、J=林やお花畑、Q=(動植物がたくさん居る)森や湿原、K=(動植物の宝庫である)大草原や高原など
・ダイヤにはそれ以外の物や現象などを振り当てる
 1=インドや印鑑を捺す、2=二階家やテニスのダブルス、3=産院やミシン、4=夜や横町、5=碁や五反田の町、6=無人駅やムチ、7=縄跳びや納豆を食べる姿、8=働く格好やハッピーな笑顔、9=(9人でやる)野球やクジのある神社、10=トイレや(住民の集まる)祭り、J=村や田園地帯、Q=町や大きい建物、K=大都会や電車など

 

 分類の仕方は以上である。これで下準備は済んだのだから後は実践での小さな細工を考慮するのみで良い。

 

 では実践してみよう。
 札を良く切り終わったなら一枚目をめくってみる。ハートの2だったなら、「小学2年生の可愛い女の子がいた。寒い冬なので手袋をしている。ジャンパーとマフラーもして二本のお下げに赤い小さなリボンもしているようだ」、と想像するのである。映像化だからこの間は数秒で済む。
 次の札がクラブのKで、その次はスペードの九、ダイヤの7、スペード11、ハートQ、クラブ9、スペード7、スペード10、そしてダイヤ5の10枚だった場合としよう。つまり、「ハ2⇒クK⇒ス9⇒ダ7⇒スJ⇒ハQ⇒ク9⇒ス7⇒ス10⇒ダ5」である。
 これ等をコンテナ列車風に次々とつなぎ合わせるのだ。
 「手袋をしたお下げの女の子(ハ2)がお爺さん(クK)の手を引いて歩いていると頭の上に九官鳥(ス9)が、優しい良い子ねご褒美にこれを上げよう、と縄跳び(ダ7)の紐を加えて飛んで来たのは巣がある林(スJ)の直ぐ側だ。そこにはお婆さん(ハQ)が中学3年生への進級で貰った地球儀を持ったお兄さんと共に迎えに来ていたのだ。皆で帰る家路の脇には見事な梨がたわわに実った立ち木があり、その脇まで来たところでお爺さんが、家に戻ったら碁を打ち合おうよお兄さんに言った」、という風な短編映画を頭の中で作るのである。 
 これは言葉書きにすると面倒そうに思えるものだが、やってみると大変簡単で結果も上々、良く記憶するものである。この10枚がこんなに容易に出来たのだから52枚とて差ほどのことはないものだ。枚数が多すぎると思うなら、13枚毎で綴った4篇のオムニバス形式にしても面白いだろう。北海道本線や東海道本線、山陽本線、四国本線のそれぞれを疾駆するコンテナ列車とするのも一興ではある。

 

 尚、上記した分類法はもちろん参考例である。52枚のそれぞれが特定できればそれで良いのであるから読者自身が好きなように変更するのがよい。その変更幅は極めて大きいはずである。
 また、次々回に載せる「ゴロ合わせ」の法も会得したなら札毎に振り当てる絵柄の数も格段に増すはずだから覚えやすさも飛躍することだろう。

 

〔利用例〕
 互いに関連のない物々、会議の列席者、買い物、等。

 

ここでのポイント

 

 映像化は単純記憶術の長である。

 

追記

 

 蛇足ながら、奈良県の大和郡山市で年に一度の記憶力大会をやっているから、この”トランプ覚え”を引っさげて参加したなら確かな成果が得られよう。その道の第一人者になることも十分に可能である。

 

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