円周率世界記録を達成した原口證が、自らの人生経験から得た教訓やコツについて、書き綴るページです。

☆ 6)「デフォルメ」の法

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☆ 6)「デフォルメ」の法

 

 数多の芸術家は己が作品の鑑賞性を極度に意識する。観る者の心を掴もうと企てるのである。専ら風景を描く画家だとしても決して見たままの通りに描き上げはせぬもので、印象的に細工する。
 これを自分が自らやってみれば良い。例えば奈良の東大寺など旅先で目にした古刹の重厚な大屋根が一瞬の竜巻で吹き飛んでしまったとでも想像してみるのである。さすれば壊れた後の社会の騒ぎも偲ばれる等、その威容と共に歴史的建物の大事さが改めて認識されようと言うものである。しかも奇想天外な発想だけに記憶の強さも深みを増そう。
 また、観光地に行ったなら後々思い出すよう景勝地をバックにした自分の写真を撮ろうとするものだが、撮った状況を想定してみる方が実際にシャッターを切るよりも遙かに記憶に止まるものだ。写真撮影はありきたりの事柄であるが故にそれに伴う心の情動は薄くなり勝ちだが、想像でする撮影は工夫が加わるから創造撮影でもあり心への刻み込みが強くなるのである。
 更に加えるが、東京に住む者にとって東京タワーは銀座の柳と同じである。見飽きているから、それが視野に入ったところで何の意識もせぬものだ。ましてや振り返って見る気などサラサラ起きないだろう。だがだ、ゴジラがタワーに足を掛けて雄叫びを上げている状況でも想像したなら、改めてその高さが心に沁みて来ようというものである。
 つまり、見る物、聞く物、感じる物等を「デフォルメ」という小細工をするのである。趣向を込めるのだ。これは積極的に人生を楽しもうとする者にとって格好な手法と言えようものでもある。オーソドックスな使われ方に慣らされ切った脳細胞にしてみれば斬新でゲリラ的な働きが出来るのだからだ。脳力開発の尖兵に位置づけられて然るべきものである。

 

 この方法、世の中に数ある記憶術でも類似したものがみられない原口式記憶法の特徴的なものと言えよう。

 

〔利用例〕
 初対面の人物、会議の出席者、集会の状況、等。

 

ここでのポイント

 

 屋根に台風、タワーにゴジラ。奇想を凝らせば記憶する。

 

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