円周率世界記録を達成した原口證が、自らの人生経験から得た教訓やコツについて、書き綴るページです。

『痴呆症対策への提案・その5』

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『痴呆症対策への提案・その5』

 

 次に、このような話を一般患者向けに置き換えてみましょう。

 

 通常は、「忘れないようにさせよう、忘れたことを思い出させよう」としがちなも

 

のです。ですが、多少思い出す力が戻ったところで病の進行をホンの数日遅らせるこ

 

とができただけ、ということなのではないでしょうか。

 

 それならば、いっそのこと“記憶を新たに作らせる”作戦で進めてみたらどうかと

 

いうことですね。

 

 一例として、先ずは昔の思い出が詰まったアルバムを見せ、その思い出が総括でき

 

る「アルバム名」を作らせてみるのです。それで先ずは、能動性へのささやかな刺激

 

となりましょう。言わばアルバム本のタイトルですね。

 

 皆さん、そんな程度のことが効果を持つとは考えにくいでしょうが「名付ける」と

 

いう行為は能動性の典型ですから、殆ど受動性の記憶だけで生きてきた人々には大き

 

な刺激になること間違いないのではないかと思うにです。

 

 さて、そのアルバムには何時なんどきのものか思い出せない写真が当然ありましょ

 

うから、その場合には、記憶に留まらないほど縁の薄い状況や人物だったと捉えさせ

 

てみるのです。忘れていても当然な人や場面ということを前提にして置くのですよ。

 

その上で忘れていない写真からの推察を試みさせるのです。

 

 仮の物語を作らせるのですね、「コーにしたならどうだろう、アーにしたなら愉快

 

かな」と、場所も場面も人物も好きなように仮定させるのですよ。そんなようなこと

 

を嘗ての生活で行ったことなんて全くなかったでしょうから、たとえ少しでもやって

 

くれれば、それだけで既にかなりな進歩のはずですね。

 

 しかもですよ、もしそれを嫌がって拒否するようなら、それはそれで結構なことな

 

のではないかと思えるのです。何故なら、拒否するその心の部分にこそ「開かずの門

 

」が立ちはだかっているからなのであって、それはつまりその門こそが現状打破の突

 

破口である証拠ということになりましょう。従って、私なら俄然やる気が出てきます

 

。無反応よりは遥かに良い状況なのですよ、拒否は反応の一形態です。

 

 「禁断の扉」ということはつまり、「開けゴマ」なのですよ。開き出せば黄金の光

 

が漏れ掛けている宝の箱なのかもしれないのですね。ですから、そんな場合には「見

 

知らぬ人が貴方に寄り添ってニッコリ微笑んでいますが、何と言う名の人か想像して

 

みてください」と、誘導してみましょう。搦め手からの攻勢を仕掛ける格好ですね。

 

更には、「この人は貴方と写真を撮った後、どこにいってしまったことにしましょう

 

か」と、作り話に向けて一言二言がポツリポツリと口の端から出てくるよう誘い導き

 

、するのです。

 

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