円周率世界記録を達成した原口證が、自らの人生経験から得た教訓やコツについて、書き綴るページです。

2010年 05月

☆『小倉百人一首』・その25

☆『小倉百人一首』・その25  18番目ですね。作者は藤原敏行朝臣という和歌の名手の割りに一般にはあまり知 られていない人ですが、歌は有名ですね。例の「三十六歌仙」の一人でもあります。  「住のえ」は「住みの吉(え)」であり「住吉」の古い言い方ですね。岸にかかる 枕詞です。現在の大阪の住吉神社の辺りを指すそうです。また、「岸に寄る」と「よ る(夜)さへや」とが連れ立って「夢の通い路」に絡めさせてい…

☆『小倉百人一首』・その24

☆『小倉百人一首』・その24  17番です。前回、登場した行平さんの弟の在原業平朝臣(ありわらのなりひらあ そん)が作った歌ですね。  「ちはやぶる」は「神」の枕詞ですね。「竜田川」奈良県生駒地方を流れる名流で すね。紅葉の名所でもあるそうです。「からくれない」は、「韓紅」で中国から伝わ った紅を意味して濃く深い紅をさすのだそうです。ここではつまり、秋の紅葉したも みじの葉っぱの見事さを指している…

☆『小倉百人一首』・その23

☆『小倉百人一首』・その23  16番目ですね。作者は中納言行平(ゆきひら)という御仁で、美男の貴公子とし て有名だった在原業平(ありわらのなりひら)さんの兄君です。因幡守(いなばのか み)に任じられ、その旅立ちの別れの歌として詠んだそうです。「いなばの山」は 「因幡」と「往くならば」とを掛けていますし、因幡の国には松林が名所となってい る稲羽山(いなばやま)というのもあったそうですよ。そしてまた…

☆『小倉百人一首』・その22

☆『小倉百人一首』・その22  15番目です。  光孝天皇の作ですが、まだ親王のころの若い時分に詠んだものだそうですから、随 分と素直で簡明な歌調もうなずけられますよね。小さい自分から聡明で、気性も穏や かな方だったと伝えられていますので、技巧のなさも好感を抱かせられます。  君がため  春の野に出でて  若菜つむ  わが衣手に  雪は降りつつ  解説は無用でしょうが、一応しておきます。  「春と…

☆『小倉百人一首』・その21

☆『小倉百人一首』・その21  14番目です。河原左大臣の作です。このお人、現代の私たちには源融(みなもと のとおる)という本来の名のほうが通りがよいですね。嵯峨天皇の皇子でしたが源氏 性を賜って臣下になったのでした。その後、左大臣の位にまで出世し京都の東六条に 河原院(かわらのいん)という別荘を持っていたので河原左大臣と通称されたそうで す。  「みちのくのしのぶ」は現在の福島県福島市内です。福…

☆『小倉百人一首』・その20

☆『小倉百人一首』・その20 13番目です。陽成帝の作です。筑波山は関東の名山で、古来よりの歌枕とされて 名高いですよね。この筑波山は二つの嶺を持っており、内陸より見て西側を男体、東 側は女体といいます。ですので、「みなの川」は漢字にすれば「男女の川」です。標 高は876㍍ですので、歌中の深いよどみを持つほどの川にはなりませんがしかし、 そこは実際の見聞の有無を問わない歌心です。野暮はいわないこと…

☆『小倉百人一首』・その19

☆『小倉百人一首』・その19  12番目です。僧正遍照の作ですが、この若やいだ歌は、この人が出家する以前に 詠んだものですから、そのところ誤解のないように願います。これは宮中の儀式で舞 う少女たちのたおやかな美しさを天女の姿と見立てて詠ったのでした。ちなみに、僧 正という地位は結構、高いのです。もっとも、神聖であるべき仏僧の世界に世俗と同 じな地位の上下があるのは珍妙なことではあるのですが。  天…

☆『小倉百人一首』・その18

☆『小倉百人一首』・その18  11番目です。作者は参議篁ですね。篁はタカムラと読みます。参議とは今の大臣 のようなものです。姓は小野といって、小野小町と同系だそうですよ。朝廷の意向に 逆らった罪により隠岐に流されたときに詠ったものだそうです。  わたの原  八十島(やそしま)かけて  漕(こ)ぎ出でぬと  人には告げよ  海人(あま)のつり舟  注:わた=海のこと。例えば、海神は”ワタのカミ”が…

☆『小倉百人一首』・その17

☆『小倉百人一首』・その17  10番目も有名ですね。私も好きな歌です。作者は蝉丸(せみまる)という地味で 一般には余り馴染まれていません名ですが、でもしかし、これからは私の読者の皆さ んなら確りと覚えてくれるでしょう。”麻布十番、セミ迫る”とですね。  これやこれ  行くも帰るも  わかれては  しるもしらぬも  逢坂(おうさか)の関  解説です。  「おー、これがあの有名な逢坂の関なんだね。関…

☆『小倉百人一首』・その16

☆『小倉百人一首』・その16  さー、今回の9番目には、有名な小野小町さんのものの登場です。  花の色は  うつりにけりな  いたずらに  わが身世にふる  ながめせしまに  注:しばしば世に降る長雨と世に生き経(ふ)る眺め(嘆き)とを掛けている。  解説です。  「花の色香は移ろい行くものですね、この長雨にあれほど艶やかだった桜も眺めて いるうちに、色変わりしてしまいましたよ。そういう私の身も同…