円周率世界記録を達成した原口證が、自らの人生経験から得た教訓やコツについて、書き綴るページです。

2010年 08月

☆『小倉百人一首』・その100

☆『小倉百人一首』・その100  93番目は鎌倉右大臣(かまくらのうだいじん)、つまり鎌倉幕府の三代将軍であ った源実朝(みなもとのさねとも)さんの作品です。好むことなく武家の棟梁にされ たのは、若干12歳のときだそうです。28歳で横死するまで一貫して母政子の実家 である北条一族に牛耳をとられていた人生でしたから、趣味の歌作りが慰みだったの ですね。征夷大将軍であり右大臣であっても文芸好きの優男に…

☆『小倉百人一首』・その99

☆『小倉百人一首』・その99  92番は二条院讃岐(にじょういんのさぬき)さんの作品です。二条天皇に仕えた 方なのですね。お父上は源三位頼政(げんさんみよりまさ)さんといって剛の者とし て有名ですね。驕れる平家に憤慨して以仁王等の陰謀に加わった一人でした。結果 は、平家の滅亡前に自害せざるを得なかったそうな。  いや、お父さんの話ではなかったですね。これは、「石に託して恋歌を詠む」とい うような題…

☆『小倉百人一首』・その98

☆『小倉百人一首』・その98  91番目は、後京極摂政前太政大臣(ごきょうごくせっしょうさきのだいじょうだ いじん)さんの作ですね。  これも「本歌取り」のものですが、何と二つもの歌を踏まえているのでした。技巧 上手の方なのですね。その一つは、3番目に出た「あしびきの…ひとりかも寝む」で す。  「きりぎりす」は今で言うところの「こうろぎ」のことです。太政大臣までなさっ た方が狭(さ)筵なんぞで寝…

☆『小倉百人一首』・その97

☆『小倉百人一首』・その97  90番めは殷富門院大輔(いんぶもんいんのたいふ)さんという方のものです。  ここの「雄島の…」は、さる人の歌を土台にしているもので、いわゆる「本歌取 り」の技法を使っております。「雄島」は、松島湾内にある島の一つですね。また、 「あま=海女、海士=漁師」です。この歌、女性の恋心の激情をたとえた卓越さが際立 っていますね。  見せばやな  雄島のあまの  袖だにも  …

☆『小倉百人一首』・その96

☆『小倉百人一首』・その96  89番目は式子内親王(しきしないしんのう)の作品です。このお方、後白河天皇 の皇女でした。驕れる平家を追討せんとて父帝の宣旨を携えたがゆえに非業の死を遂 げざるを得なかった以仁王(もちひとおう)の妹姫ですね。  「玉の緒=魂をつなぎとめる紐=命」です。高貴な身の上ゆえに秘め忍び、隠し通 さなければならない思いが数多あったのでしょう。もちろん恋の思いもしかりです。  …

☆『小倉百人一首』・その95

☆『小倉百人一首』・その95  88番目の皇嘉門院別当(こうかもんいんのべっとう)さんの作品です。  「難波江=難波の入り江」です。「かりね=刈り根」ですが「仮寝」と掛けてます ね「ひとよ=一節(よ)」でこれも「一夜」と掛けてます。「みをつくし」は20番 目の「元良親王」のところでも出てきましたが、「澪つくし」と「身を尽くし」に掛 かっています。このように技巧を重ねうる才女だったのですね、皇嘉門院…

☆『小倉百人一首』・その94

☆『小倉百人一首』・その94  87番目です。寂連法師(じゃくれんほうし)さんのものです。藤原定家さんの従 兄弟だそうです。  この歌、奥深い山里が夕暮れとともに深い静寂(しじま)に支配される風景を見て いるようですね。幽玄です、幻想的なのです。私の好みです。  今更ながらではありますが、「村雨=群ら雨=にわか雨」ですね。村に降る雨では ありませんよ。「ひぬ=去(い)ぬ」ですね。  村雨の  露も…

☆『小倉百人一首』・その93

☆『小倉百人一首』・その93  86番目は、かの有名な西行法師(さいぎょうほうし)さんの歌ですね。  元の名を佐藤義清(のりきよ)といいました。が、何を思ったか妻子持ちの身であ りながら23歳で出家して後は自然と旅を愛した人物としてつとに知られた西行さん の歌ですから、なにやら意味深な内容のように私には思えるのです。「月前恋」とい う題での「歌合」で詠んだものだそうですが、その対象は現実的な女性で…

☆『小倉百人一首』・その92

☆『小倉百人一首』・その92  85番目は、俊恵法師(しゅんえほうし)さんの作品ですね。  「夜もすがら」は「夜通し、一晩中」です。「閨」は「寝屋、寝室」ですね。そし て「ひま」は「隙、暇、閑」で、隙間のことですよ。決して時間の途切れや仕事のな い間だけをいうのではありませんです。   この歌は訪れて来なくなった恋人を恨んでいる女性の身になって詠んだものです。  夜もすがら  物思ふころは  明け…

☆『小倉百人一首』・その91

☆『小倉百人一首』・その91  84番は藤原清輔朝臣(ふじわらのきよすけあそん)さんの作です。  これはちょっとした悟りの歌です、それも前向きな。  長らえば  またこのごろや  しのばれむ  憂(う)しと見し世ぞ  今は恋しき  解説です。  「こんなに辛い日々がつづいているのにだよ、後々になってみれば懐かしい思い出 となっているのかもしれないね。だって、悲しいことばっかりだと思っていたあの頃 …